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・大水青 作品一覧に戻る

2007/05/19
午後4時半頃、雨と突風の中羽がぼろぼろの大水青のメスを拾う。拾うとき、手に卵を産卵された。4つ産まれたが糞と間違えて一つ捨て、3つだけメスと共に持ち帰る。腹はそんなに大きくない。虫かごが空いていなかったので大きめのタッパーに桜の葉と一緒に入れる。大水青は近寄らない限り微動だにしない。夜中の12時半、電気を消した中でぱたぱた羽ばたく。明かりをつけて見るとおしりに卵がついており、羽ばたいた為羽がさらにちぎれていた。手をやると乗り、さらに産卵された。卵は全部で7個。大水青が大人しくなったので私が寝る。

2007/05/20
午前9時10分。起きてタッパーを覗くと大水青は大人しくしている。卵が一つ増えていた。大水青は産卵後どのくらい経てば死ぬのだろうか。12時43分、まだ生きている。外出。午後7時半、帰宅すると卵がさらに増えて大水青がぷるぷるしている。卵は全部で14個になっていた。大水青は弱々しくはばたいた後静かになった。昨日より羽に力がない。

2007/05/21
午前8時半。また卵が一つ増えていた。計15個。一気に産まないのは入れ物のせいだろうか。タッパー越しに顔の方へ手をやると前足をあげて反応した。外出。6時過ぎに帰宅。まだ生きている。位置に変化なし。8時過ぎに大水青の絵を描く。描いている最中大水青はおしりから管を出して大きく呼吸しているように見えた。体がふわふわ上下している。お尻の横に卵が一つくっついているのが見えた。今産んだのだろうか。計16個。大水青は静かになった。 11時。触っても動かない。大水青、捕獲から2日、最後の産卵(確認)から一日足らずで死亡。


大水青死にゆくの図。タッパーの蓋は半開き。

2007/05/22
正午。死んだ大水青を近所の公園へ持っていく。ティッシュに包み、コンビニの袋へ入れて持ち歩いていると雀が一羽寄って来た。パンと勘違いしているのだろう。蛾だけど食べるかと思ってティッシュの包みを出すとピイと鳴いて逃げた。馬鹿可愛い。当初の予定通り蟻にやると、主に顔のあたりに群がって来た。どうやって分解するのか見ていようと思ったが私にも蚊が群がって来たので帰った。6時。再び大水青を見に行くと跡形もない。羽すら見当たらないので雀か人が持ち去ったのかもしれない。公園には人が絶えず、今日は強い風もなかった。

2007/05/23
卵が全体的に少し凹んでいる。ひょっとすると全て無精卵かもしれない。有精卵なら6月の始め辺りに孵る。

2007/05/25
凹んでいるし茶色っぽくなっている。あの大水青は処女だったんだろう。

2007/05/29
午前10時。あまり観察していなかったが卵から毛虫が2匹孵っていた。最初の産卵から10日目なので予定より早い。毛虫の体長は既に個体差があり、小さい方が5ミリ、大きい方が6ミリ程。葉が乾ききっていたので新しい桜の葉を採りに行く。八重桜の葉を入れると5ミリは少し食べた。6ミリは食べないでうろちょろ。卵の殻は一つだけ見つかった。午後12時40分。6ミリが逃げそうになったのでまともな虫かごを買いに行く。ワイドビュー ハイルーフ・フラットという、375×D200×H225の飼育ケースを購入。小バエ防止フィルターがついているので脱走不可。卵と2匹を飼育ケースに移す。9時半。6ミリはケースの天井付近で停止。 5ミリは糞をして葉の上で停止。

2007/05/30
午前7時半。新たに4匹孵っていた。糞が増えて、葉が少し欠けている。8時20分。また1匹孵った。体をひねって運動している。午後9時25分。 4匹増えて11匹になっていた。一枚の葉の上に固まって停止している。点のような糞が散らばっている。桜の葉を入れ替えた。それにしてもあまり食べない。夜盗虫と比べるからそう見えるのだろうか。ひょっとして似た種のオナガミズアオかもしれないと思い、母親を拾った付近を散策。しかし、オナガミズアオの餌であるハンノキやヤシャブシは見当たらなかった。

2007/05/31
午前9時。葉を変えて掃除。午後6時半。頭数に変化なし。卵は残り4個。一番最後に産んだ卵は小さくて干涸びているので除いた。7時。1匹だけかなり食べる幼虫がいる。やはり大水青でいいようだ。

2007/06/01
1匹増えて12匹。卵は残り3つ。午前11時40分。葉を変える。卵の殻は食べないので捨てた。

2007/06/02
午前10時。2匹孵り、3匹死んで11匹。そして今にも死にそうなものが1匹。過密状態になっているのだろうか。正午。元気そうな3匹以外を母大水青を拾った場所にリリース。1本の桜の木に対して1、2匹放した。死にそうだったものは死亡。他のリリースも意味があるのかわからない。飼育ケースに葉を入れる。3匹とも停止。部屋の不規則な明かりが原因かもしれないと考え、飼育ケースの窓際に面した部分以外に布をかけた。これで幼虫にはカーテンごしの自然の光だけが当たる。午後8時。光を避けれるように桜の葉を足し、紅葉も入れてみた。様子には変化がなく、一つだけ残った卵も沈黙を破らない。

2007/06/03
午前9時。変化が見られない。午後4時。変化なし。8時。昇天×3。間に合わなかったのか、それとも光は関係なかったのだろうか。半。昇天×3を葉に包んで公園に持って行く。蟻は昼でも夜でも関係なく活動していた。懐中電灯を持って行ったが、必要ないくらい電灯が点いていてすぐに巣の在処がわかった。行列を見つけたのでその上に幼虫を落とす。しかし蟻は近寄ってもすぐに嫌がるようにして離れた。どうやら毛が嫌なようだ。そういえば桜の木には必ず蟻がいる。無毒の毛は蟻よけの為にあったのかと納得した。いぢっていたら弾みで幼虫を蟻の巣の中に落としてしまったが、どうするのか観察するには膨大な時間がいりそうだったので帰った。

2007/06/05
午後11時23分。一つのこった卵の中身が気になり、もう死んでるか無精卵だと見当をつけてトーンナイフで切り込みを入れた。見た目に反して固いので削るように切ると、大水青の羽の色を濃くしたような汁が洩れ出た。汁の他は殻しか残らなかった。

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